春日
タイトル:春日
Title:KASUGA
場所:御蓋山・奈良県
Year:2021年
画材:木製パネル、ワトソン紙、ガッシュ
Painting materials:wood panel, Watson paper, gouache
Size:1300mm × 650mm
春日大社、第四殿の比売神(ヒメガミ)。
神仏習合の千年もの間、天照大神と同一視され、本地垂迹では十一面観音であった。
明治の神仏分離、国家神道の教化により、仏や皇祖神であるとは唱えられなくなり、現在比売神は第三殿の天児屋根命の配偶神とされている。
人々の望む姿に応じてきた神が、自ら姿を選ぶことができるならそれは何であろうか?
春日大社の創建は奈良時代の768年。
平城京遷都で都を守るため、タケミカヅチノミコト、フツヌシノミコト、アメノコヤネノミコト、ヒメガミの4柱は御蓋山に降臨した。
藤原氏の繁栄や興福寺との神仏習合により、絶大な権力を持つ時代を経て現在に続く。
ちなみに観光名所となっている奈良公園の鹿は春日大社の神鹿である。武甕槌命が白鹿に乗ってやってきた事を由来とする。
今回の作品は、数多く残っている「春日鹿曼荼羅」のような形で描いた。
比売神が自ら選ぶ姿とは?
強者によって変わる世界の中、女性は抑圧や不平等の時代を生きてきた。
日本のジェンダーギャップ指数は未だに低い。
令和が輝く時代となるか?理不尽に屈せずなりたい自分になれるかどうか?
今を生きる私たち一人一人の自覚と行動がこの先の未来を創っていく。
特別企画「令和の未来は女性が創る。」 に出品
推薦者:山下裕二(美術史家・明治学院大学教授)
佐賀県立美術館(2022.1/1~2/3)