日高川
タイトル:日高川
Title:HIDAKAGAWA
場所:和歌山県・日高川
Year:2020年
画材:木製パネル、ワトソン紙、ガッシュ
Painting materials:wood panel, Watson paper, gouache
Size:605mm × 500 mm(F12)
和歌山県の道成寺に伝わる『安珍清姫伝説』。
時は平安中期、「清姫」は熊野詣に訪れた美しい僧「安珍」に恋をする。
約束を裏切られた清姫は彼を追いかけ、日高川で大蛇へと変身する。
道成寺の鐘の中へ隠れた安珍を焼き殺すシーンはあまりにも有名。
その後大蛇は血の涙を流して死んだという。
道成寺の発行する「絵とき本」では安珍を葬った後、僧の夢枕に二人揃って現れ供養を頼む。その後二人はあの世で結ばれる。
清姫が妄執の恐ろしいだけの存在だったならば二人が結ばれる必要はない。
清姫の一方的な恋慕と思い込みだけで蛇に化したとは思えず、だからこそ激しい愛憎と執着と悲しみが生まれたように思う。
映画「安珍と清姫」では二人は愛し合っており、僧ゆえの葛藤に引き裂かれ、この世で成就することが叶わない。安珍は死んだ清姫を抱え、生涯そばを離れず冥福を生きると誓う。
弥生美術館(2020.10/31-1/31) 展覧会とのタイアップで初画集「百花妖炎」を発売。協力・学芸員 中村圭子さん。 弥生美術館の展覧会カタログ、美術雑誌での掲載